医療の現場における薬剤師の姿がよく見えない、と言われてきました。また、薬学部についても生命科学の発展や創薬における役割は理解できても、医療における貢献や社会的貢献はよく分からないとの指摘もありました。しかし、医薬分業が推進されて以来、1)調剤薬局での薬剤師の働き、2)病院でのチーム医療および治験での薬剤師の活躍、3)セルフメディケーションの推進に向けた薬剤師の働き、4)薬学部における医療薬学教育の充実、などの地道な活動を通して薬剤師や薬学部が社会にすこしずつ認知されるようになりました。
薬剤師の社会的役割が益々重要になってきている背景を踏まえて、金沢大学は国立大学では先陣を切って特定非営利活動法人(NPO)「アカンサス薬局」を平成15年2月に開局しました。「アカンサス薬局」は、病気で悩んでおられる患者さんにとってくすりと健康の相談の場でもありたいと思っております。同時に、医療の現場において真に患者さんを守る薬剤師となる薬学部生や薬系大学院生の実務教育(インターン制度)のための研修薬局でもあります。さらに金沢大学薬学部では、一般市民が、気軽に出向いてくすりと健康に関する情報を得たり、相談できる交流の場として、この度、金沢大学薬学部附属「くすりと健康プラザ」を平成15年10月に「アカンサス薬局の2階に開設いたしました。「くすりと健康プラザ」は金沢大学薬学部が、くすりと健康に関する情報交換を通して市民コミュニケーションを図り、地域社会の健康福祉に貢献することを目的としています。
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