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■ 医療用医薬品のバーコード表示の実施について (2006年 06月 16日 13:19)
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 厚生労働省医薬食品局安全対策課は、医薬品の取り違え事故の防止及びトレーサビリティーの確保を目的とした「医療用医薬品へのバーコード表示の実施について(案)」をとりまとめ、平成18年3月24日付け「医療医薬品へのバーコード表示の実施について」を発信し6月15日までパブリックコメントを募集しました。その後、内容を最終決定し、製薬企業などに通知を予定しています。
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 「医療用医薬品へのバーコード表示の実施について(案)」は次のようなものです。
1.表示対象及び表示するデータ
表示対象は医療用医薬品とし、包装形態の単位及び医療用医薬品の種類に応じ、次のとおり、商品コード、有効期限、製造番号又は製造記号及び数量を表示する。
(1)調剤包装単位 ( 調剤包装単位とは、製造販売業者が製造販売する医薬品を包装する最小の包装単位をいう。例えば、錠剤、カプセル剤であればPTPシートやバラ包装の瓶、注射剤であればアンプルやバイアルなどである。)
●特定生物由来製品
 商品コード:◎、有効期限:◎、製造番号又は製造記号:◎、
●生物由来製品(特定生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎ 有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、 
●内用薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、
●注射薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、
●外用薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、
(注1)『◎』は必ず表示するもの(必須表示)、
    『○』は必ずしも表示しなくて差し支えないもの(任意表示)

(2)販売包装単位(販売包装単位とは、通常、卸売販売業者等から医療機関等に販売される最小の包装単位をいう。例えば、錠剤、カプセル剤であれば調剤包装単位であるPTPシートが100シート入りの箱、注射剤であれば10アンプル入りの箱などである。)
●特定生物由来製品
 商品コード:◎、有効期限:◎、製造番号又は製造記号:◎、
●生物由来製品(特定生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:◎ 製造番号又は製造記号:◎ 
●内用薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、
●注射薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、
●外用薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、
(注1)『◎』は必ず表示するもの(必須表示)、
    『○』は必ずしも表示しなくて差し支えないもの(任意表示)

(3)元梱包装単位 (元梱包装単位とは、製造販売業者で販売包装単位を複数梱包した包装単位をいう。例えば、販売包装単位である箱が、10箱入った段ボール箱などである。)
●特定生物由来製品
 商品コード:◎、有効期限:◎、製造番号又は製造記号:◎、数量:◎、
●生物由来製品(特定生物由来製品を除く。)
 商品コード:◎ 有効期限:◎ 製造番号又は製造記号:◎ 数量:◎、
●内用薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:○、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、数量:○、
●注射薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:○、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、数量:○、
●外用薬(生物由来製品を除く。)
 商品コード:○、有効期限:○、製造番号又は製造記号:○、数量:○、
(注1)『◎』は必ず表示するもの(必須表示)、
    『○』は必ずしも表示しなくて差し支えないもの(任意表示)
(注2)数量は、元梱包単位に含まれる販売包装単位の数量とする。

2.商品コード及びJANコードの付番
(1)商品コードは、個々の医薬品の包装形態の種類ごとに付されるJANコードの先頭に、調剤包装単位においては「0」、販売包装単位においては「1」、元梱包装単位においては「2」を付けた14桁のコードとする。
(2)JANコードは、次のとおり付番する。
・JANコードは個々の医薬品の包装形態の種類(注)ごとに付すこと。ただし、元梱包装にあっては販売包装 と同一のJANコードとすること。従って、調剤包装のJANコードは販売包装のJANコードとは別のJANコードと なるものであること。
・JANコードは販売を行う会社ごとに付番すること。
・過去に使用したJANコードは、当該JANコードを使用していた医薬品が販売中止されてから少なくとも10年 経過してからでなければ、再使用してはならない。ただし、特定生物由来製品に使用したJANコードは、再使 用してはならない。
(注)調剤包装では、10錠のPTPシートと21錠のPTPシートは別の種類として取り扱うものであること。

3.JANコードの変更 略
4.バーコードシンボル体系 略
5.データ要素の表記順及びアプリケーション識別子 略
6.新バーコード表示の実施時期
(1)特定生物由来製品、生物由来製品若しくは注射薬(生物由来製品を除く)のすべて の包装形態又は内用薬(生物由来製品を除く)若しくは外用薬(生物由来製品を除く)の販売包装:平成○○年○月(通知から2年)(ただし、年1回しかしていないもの等特段の事情があるものについては平成○○年○月(通知から3年))以降に製造販売業者から出荷されるものについてはすべて表示する。
(2)内用薬(生物由来製品を除く)又は外用薬(生物由来製品を除く)の調剤包装単位:
 関係業界等によって3〜5年後の表示実施を目標に包装形態ごとの技術開発等が行われていることから、その実施時期については別途通知する。
7.その他 略                                 」
引用資料
1)パブリックコメント「医療用医薬品へのバーコード表示の実施について」:厚生労働省
医薬食品局安全対策課(平成18年3月24日);http://www.mhlw.go.jp/
■ 厚生労働省が作成した「妊娠期の至適体重増加チャート」 (2006年 05月 26日 10:20)
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 厚生労働省は、妊娠期における体重増加量について、一律に抑制されることによって低出生体重児が増加するとの懸念から、非妊娠時の体格区分(やせ、普通、肥満)別に「妊娠期の至適体重増加チャート」を作成し「妊産婦のための食生活指針」として公表しています。1)
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 厚生労働省は平成18年2月1日付けで『「妊産婦のための食生活指針」の策定について』と題する報道発表資料を発表しました。概要は次の通りです。
〔厚生労働省では、学識経験者等に参集を求め、昨年2月より『「健やか親子21」推進検討会』を開催し、その中で「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」を立ち上げ、妊娠期及び授乳期における望ましい食生活の実現に向け、何をどれだけ食べたら良いかわかりやすく伝えるための指針とともに、妊婦個々の体格に応じて適切な体重増加量が確保されるよう、その目安について検討を行ってきた。
このたび「妊産婦のための食生活指針」(「健やか親子21」推進検討会報告書)として取りまとめたので、その内容を公表する。〕というものです。

 ここでは、「妊産婦のための食生活指針」(「健やか親子21」推進検討会報告書)のなかで紹介されている「妊娠期の至適体重増加チャート」の概要を以下に引用します。
 詳細については、「妊産婦のための食生活指針」(「健やか親子21」推進検討会報告書)2):http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3a.htmlを御参照下さい。
本報告書のなかの関連記事は、
「妊娠期の至適体重増加チャート」について、その報告の中の 『4「妊娠期の至適体重増加チャート」について』の項、および、『5「妊産婦のための食生活指針」及び「妊娠期の至適体重増加チャート」の活用に向けて』の項の【リーフレット】をクリックして開いて下さい。

● 妊娠前の体格をBMI(Body Mass Index) で三つに分類
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI:18.5未満・・・・・・;低体重(やせ)
BMI:18.5以上25.0未満 ・;ふつう
BMI:25.0以上・・・・・・;肥満

● 体格区分別 妊娠全期間を通しての推奨体重増加量
 妊娠前の体格区分:低体重(やせ);妊娠全期間を通しての推奨体重増加量 9〜12kg
妊娠前の体格区分:ふつう;妊娠全期間を通しての推奨体重増加量 7〜12kg ♯1
 妊娠前の体格区分:肥満;妊娠全期間を通しての推奨体重増加量 個別対応 ♯2
*体格区分は非妊娠時(妊娠前)の体格による。
♯1 体格区分が「ふつう」、の場合、BMIが「低体重(やせ)」に近い場合には推奨体重増加量の上限側に近い範囲を、「肥満」に近い場合には推奨体重増加量の下限側に近い範囲を推奨することが望ましい。
♯2 BMIが25.0をやや超える程度の場合は、おおよそ5kgを目安とし、著しく超える場合には、他のリスクを考慮しながら、臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

● 体格区分別 妊娠中期から末期における1週間当たりの推奨体重増加量
 妊娠前の体格区分:低体重(やせ);妊娠中期〜末期 推奨体重増加量 0.3〜0.5kg/週
 妊娠前の体格区分:ふつう;妊娠中期〜末期 推奨体重増加量 0.3〜0.5kg/週
 妊娠前の体格区分:肥満;個別対応
*体格区分は非妊娠時の体格による。
*妊娠初期については体重増加に関する利用可能なデータが乏しいことなどから、1週間あたりの推奨体重増加量の目安を示していないため、つわりなどの臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

「妊娠期の至適体重増加チャート」のまとめとして

@体格区分別 妊娠全期間を通しての推奨体重増加量の設定について
●妊娠前における体格区分とリスクとの関連については、
妊娠前に「低体重(やせ)」に属する者は、低出生体重児分娩や子宮内胎児発育遅延、切迫早産や早産、貧血のリスクが高まる。
妊娠前に「肥満」に属する者は、糖尿病や巨大児分娩、帝王切開分娩、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスクが高まる。
●妊娠期における体重増加量とリスクとの関連については、
妊娠期に体重増加量が著しく少ない場合には、低出生体重児分娩や切迫流産、切迫早産のリスクが高まる。
妊娠期に体重増加量が著しく多い場合には、前期破水や妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、巨大児分娩、帝王切開分娩、分娩時の出血量過多、羊水混濁・胎児心拍数異常のリスクが高まる。
●妊娠前における体格区分と妊娠期における体重増加量とのリスクの関連については、
妊娠前に「低体重(やせ)」「ふつう」「肥満」のいずれの体格区分に属していても、妊娠期の体重増加量が少ない者では低出生体重児のリスクが高まる。
妊娠前の体格区分が「低体重(やせ)」に属する者で妊娠期の体重増加量が多い場合には、帝王切開のリスクが高まる。
妊娠前の体格区分が「ふつう」に属する者で妊娠期の体重増加量が多い場合には、heavy-for-dates児(在胎週数に対して出生体重が重い児をいう。)や帝王切開のリスクが高まる。
妊娠前の体格区分が「肥満」に属する者で妊娠期の体重増加量が多い場合には、分娩時の出血量が過多になるリスクが高まるとされる。

妊娠全期間を通しての推奨体重増加量は「低体重(やせ)」の場合は9〜12kg、「ふつう」の場合は7〜12kgとし、肥満の場合は、個別に対応していくこととし、BMIが25.0をやや超える程度の場合は、おおよそ5kgを目安とし、著しく超える場合には、他のリスク等を考慮しながら、臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

A体格区分別 妊娠中期から末期における1週間あたりの推奨体重増加量の設定について
 体格区分が「低体重(やせ)」、「ふつう」の場合、妊娠中期から末期における推奨体重増加量を0.3〜0.5kg/週とし、「肥満」の場合は、糖尿病や高血圧などの基礎疾患を有している場合があり、これらの基礎疾患の有無が胎児予後に大きく影響する可能性があるため、個別に対応していくこととした。
詳細については、参考文献を参照ください。
参考文献
1)厚生労働省:「妊産婦のための食生活指針」の策定について:
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3.html
2)「妊産婦のための食生活指針」(「健やか親子21」推進検討会報告書):
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3a.html
■ 鳥インフルエンザウイルスに対するモックアップ(プロトタイプ)ワクチンとパンデミックワクチン開発 (2006年 05月 19日 10:47)
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 鳥インフルエンザの感染が世界的な拡大をみせるなか、新型インフルエンザの世界的流行の可能性が示唆されています。対策として、抗インフルエンザ薬の備蓄とワクチンの開発が急がれています。国内のワクチンメーカー4社と国立感染症研究所などが協力し、年内の治験終了を目標にH5N1型鳥インフルエンザウイルスに対するヒト用プロトタイプワクチンの臨床試験が、我が国で始まりました。
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 厚生労働省健康局で平成17年12月に策定された「新型インフルエンザ対策行動計画」の中の参考資料・用語解説にモックアップ(プロトタイプ)ワクチンとパンデミックワクチンについて次のように解説されています。1)
「モックアップ(プロトタイプ)ワクチン:対象とするウイルス株が特定されていない場合に、モデルウイルスを用いて作成されたワクチン。主として、治験等の薬事承認を得るための申請データの作成に用いる。
パンデミックワクチン:流行しているウイルス株を用いて、作成されたワクチン。」

日経メディカル2006年3月号には、プロトタイプワクチンについて報告されています。
その概要については次のようなものです。
「今年2月、H5N1型鳥インフルエンザウイルスに対するヒト用ワクチンの臨床試験が、我が国で始まった。国内のワクチンメーカー4社と国立感染症研究所などが協力し、年内の治験終了を目標に開発が進められている。このワクチンは、一般に「プロトタイプワクチン」と呼ばれているもので、いわば試作品のワクチン。トリ−ヒト感染したウイルスに対するワクチンであり、ヒト−ヒト感染が始まったとき、つまりパンデミックの危険性が高まった場合につくる「パンデミックワクチン」のひな形となるものだ。
 プロトタイプワクチンを開発し、H5N1型ウイルスに対するワクチンとして薬事承認を得ておけば、パンデミックの際にはウイルス株を変更するだけでよく、臨床試験を省略して迅速にパンデミックワクチンの供給を開始することができる。また、試作品とはいえ、新型H5N1型ウイルスに対しても交叉免疫によってある程度の予防効果が期待できる。
 世界のどこかでトリ−ヒト感染が始まってから、パンデミックワクチンが完成するまでに、少なくとも6ヵ月かかるといわれている。
 そこで、パンデミックワクチンが完成するまでに医療関係者に対してプロトタプワクチンを接種するという事態が考えられます。
今回のプロトタイプワクチンには、従来のインフルエンザワクチンと違い、ワクチンの効果を高めるためのアジュバント(免疫賦活剤)が添加されている。これまでの研究で、アジュバントを添加しなければ十分に抗体価が上昇しないと考えられたためだ。添加される物質は、DPTワクチン*1にも使われている水酸化アルミニウム。抗体価上昇が見込める一方で、副反応にもより注意が必要になるかもしれない。」
 ヒト−ヒト感染が始まったときに、抗インフルエンザ薬による感染拡大を封じ込め、パンデミックワクチンによるパンデミック(大流行)の予防ができるよう期待されます。心配されたパンデミックは、世界保健機関ほか関係者の努力で局地封じ込めに成功し、あと1カ月を切ったワールドカップ開催が待たれるところです。
*1)DPTワクチン:ジフテリア、百日咳、破傷風三種混合ワクチンの略

参考資料
1) 厚生労働省:新型インフルエンザ対策行動計画;
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/03sankou.html
2) プロトタイプワクチン;日経メディカルNo.460,P 23,2006
■ 吸入式インスリンの販売を世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)が認可 (2006年 03月 07日 13:46)
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 米国食品医薬品局(FDA)が1月27日、米国ファイザー社の吸入式インスリン「エクスベラ」の販売を認可した、と1月29日の新聞各紙やホームぺージ等に報道されました。
平成18年1月29日付 朝日新聞(共同)は「エクスベラは遺伝子組み換え技術で製造されたヒトインスリンの粉末(insulin human[rDNA origin]Inhalation Powder)。眼鏡ケース大の専用吸入器を使って口から吸い込む。効果が表れるのが早いため、即効型のインスリンの注射の代わりになるが、作用が遅いタイプのインスリンも必要な患者さんには注射と併用になる。」と報道しています。1)
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 薬事日報(平成18年2月20日付)の「アメリカ医薬品情報」(沖 愛士)には、エクスベラについて次のように解説されています。2)
「エクスベラの臨床研究は、1型および2型の糖尿病患者約2,500人を対象に実施された。エクスベラの血中インスリン濃度は通常の注射型インスリンに比べてピークに達する時間が早かった。通常の注射用インスリンは105分(範囲60〜240分)でピーク量に達したが、エクスベラは49分(範囲30〜90分)でピークに達した。
 1型糖尿病患者における臨床研究は、エクスベラが食事と一緒に使用する短期作用型インスリンの代わりに長期作用型インスリンと共に使用できることを示した。
2型糖尿病患者に対しては、エクスベラ単独、エクスベラと血糖を抑える非インスリン型経口薬(メトフォルミンなど)との併用、またはエクスベラと長期作用型インスリンとの併用による臨床研究が実施された。その結果、エクスベラは2型糖尿病に対して、単独、または経口薬もしくは長期作用型インスリンとの組み合わせで使用できることが証明された。
エクスベラ処方には、FDA承認の患者用情報を含む「投薬ガイド」が付随する。薬剤師は製品と共に投薬ガイドを配布しなければならない。患者の使用法順守が製品の効果に対して不可欠である。患者は、投薬ガイドを完全に読み、疑問があれば医師に相談することを勧める。エクスベラはすべてのインスリン製剤と同様に低血糖を起こすので、患者は血糖を定期的にモニターすべきである。
その他の副作用として、咳、息切れ、喉の痛み、口の乾きなどがある。
喫煙者または最近禁煙した人(6カ月以内)はエクスベラを使用すべきではない。エクスベラの使用によって、喫煙者はインスリンの全身的な暴露が非喫煙者の2〜5倍に高まると考えられるからである。エクスベラの使用は喘息、気管支炎または肺気腫の患者に対して推奨できない。エクスベラ治療開始前には肺機能の基礎検査を行い、その後6〜12カ月ごとに検査を繰り返すことが必要である。
申請者は市販後もエクスベラの安全性を継続して確認し、隠れた肺疾患をもつ患者に対するエクスベラの効果と安全性の問題をさらに徹底して調べるため、長期間研究の実施を約束した。」
同様の記事は、ファイザーニュース3)、ファイザーニュースFacts About Exubera4)にも報告されています。
今回認可されたエクスベラはファイザー社の製造だが、イーライリリー社、コスファーマシューティカル社、マンカインド社、ノボ・ノルディスク社など各社が同形態の薬剤の開発・承認申請の準備を進めているという。5)

 なお、ファイザー(株)のホームページから、同社の開発品目を調べてみましたが、2月21日現在、開発品目一覧には、エクスベラの記載は見られませんでした。6)
国内での開発はこれからと思われます。

参考資料
1)「吸入式インスリン認可 注射なし、米で販売へ」朝日新聞(共同) 平成18年1月29日
2)「アメリカ医薬品情報 初の吸入型インスリンを承認」沖 愛士:薬事日報 平成18年2月20日
3)ファイザーニュース:
http://www.pfizer.com/pfizer/are/news_releases/2006pr/mn_2006_0127a.jsp
4)ファイザーニュースFacts About Exubera:
http://www.pfizer.com/pfizer/download/exubera_release_faq.pdf
5)糖尿病ネットワーク アメリカの糖尿病最前線:
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2006/01/fdaexubera.html
6)ファイザー株式会社−研究・臨床開発−臨床開発:
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/development/clinical_development/list/index.html
■ 患者さん向けの医療用医薬品情報がホームページで  (2006年 02月 28日 10:33)
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くすりの適正使用協議会が副作用情報を拡充した「くすりのしおり」新バージョンを5月には内服薬と外用薬について、提供を開始できるとの見通しを明らかにしました(薬事日報:平成18年1月30日)。また、医薬品医療機器総合機構は平成18年1月31日付で、各製薬企業が作成した「患者向け医薬品ガイド」を同機構のホームページに掲載した、と報道されています(薬事日報:平成18年2月6日)。
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 両方のホームページでA社の医薬品名○○○○錠○mgを検索してみました。
(1)「医薬品医療機器情報提供ホームページ」(www.info.pmda.go.jp)を立ち上げ、「患者向医薬品ガイド」の窓をクリックしますと、「患者向け医薬品ガイド」が表示されます。平成18年2月現在のホームページには、経口糖尿病薬の情報のみが掲示されていますが、今後、抗リウマチ薬、喘息治療薬、血液凝固阻止剤及び抗血小板剤のガイドを公表予定とのことです。一覧表として表示されている薬の中から(例)として○○○○錠○mgを選んでクリックするすると、
「患者向医薬品ガイド」が表示され、次のような項目で解説されています。
【この薬は?】
【この薬の効果は?】
【この薬を使う前に、確認すべきことは?】
【この薬の使い方は?】
【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】
【副作用は?】(注)副作用名にはフリガナが付けられています。
【この薬の形は?】
【この薬に含まれているのは?】(注)有効成分と添加物が記載されています。
【その他】
【この薬についてのお問い合わせ先は?】
等が患者さんにわかりやすい言葉で、詳細に記載されています。

(2)「くすりの適正使用協議会」が提供しているホームページ「くすりの情報ステーション」(http://www.rad-ar.or.jp/)を立ち上げますと「くすりの情報ステーション」の画面があらわれますが、その画面の左側中段に「調べてみようくすりのしおり、くすりの名前は?」の窓にくすりの名前「○○○○錠○mg」を入力し「調べる」をクリックしますと、求める
「○○○○錠○mg」の記事が表示され
●この薬の作用と効果について
●次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えて下さい。
●用法・用量(この薬の使い方)
●生活上の注意
●この薬を使ったあと気を付けていただくこと(副作用)
(注)この欄には医療担当者の記入欄も設けられています。
●保管方法その他
(注)この欄にも医療担当者の記入欄が設けられています。
●医療担当者記入欄
という構成になっていますが、全体にみて医療担当者がこれを使用して患者さんへの情報提供をするのを意識して作成されているように思われます。
特に「●この薬を使ったあと気を付けていただくこと(副作用)」の項において、
◆次のような症状に気付いたら使用をやめて、すぐに主治医に相談して下さい。
(例)低血糖症状:強い異常な空腹感、冷や汗が出る、動悸がする、手足のふるえ、めまい(ふらつき)、目がちらつく、脱力感(力の抜けた感じ)、頭痛・集中力低下(ぼんやりする)、いつもと違う異常な行動をとる、意識がなくなるなど。
【尚、低血糖症状に気付いたら、砂糖、飴玉。ジュースなどを、α−グルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスン)と併用している場合はブドウ糖をとってから主治医に相談して下さい。】
その他の症状:出血しやすい(歯ぐきの出血、鼻血など)、のどの痛み、発熱、体がだるい、食欲がない、皮膚や白目が黄色くなる。
◇次のような症状に気付いたら、なるべく早めに主治医に相談して下さい。
発しん、かゆみ、吐き気がする・・・・・
という風に、「医薬品医療機器情報提供ホームページ」と同様に患者さんにわかりやすい言葉で、ていねいに記載されています。
 両者のホームページにおける記載はともに、副作用防止に重点をおき、詳細に、丁寧に記述されています。
■ 新型インフルエンザに関するQ&A−後半(厚生労働省ホームページより) (2006年 01月 25日 00:23)
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 厚生労働省は、平成17年10月に、新型インフルエンザ対策推進本部を設置し、その対策のための行動計画を策定した。また、国民が新型インフルエンザについて正確に理解し、その予防など冷静に対応できるよう「新型インフルエンザに関するQ&A」を作成し、今後も新型インフルエンザに関して、正確かつ迅速な情報提供に努めるとしています。
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 「新型インフルエンザに関するQ&A」は平成17年11月15日に作成され、その後、同年11月30日と12月15日に改訂が行われています。詳しくは、厚生労働省ホームページ(URL;http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html)を参照ください。ここでは、同年12月15日改訂のものを2回に分けて転載いたしました。
(この記載は、後半分です。)

■V.国民ひとりひとりの予防と対応

V−1Q.通常のインフルエンザの予防接種(ワクチン接種)は、新型インフルエンザに効果がありますか。
A.新型インフルエンザのヒト−ヒト感染が起きた場合、予防手段として直ちに使用できるワクチンは現時点ではありませんが、新型インフルエンザのウイルスに対して効果を発揮するワクチンの早期実用化に向けた開発努力が、日本を含め世界の各国で展開されています。

V−2Q.新型インフルエンザの予防はどうしたらよいのですか。
A.通常のインフルエンザは、感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入することによって感染します。そのため、外出後のうがいや手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。また、十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとることも大切です。現状では新型インフルエンザは出現していませんが、出現した場合も通常のインフルエンザと同様に感染防御に努めることが重要です。

V−3Q.新型インフルエンザに感染した場合、どのような症状がでるのですか。
A.新型インフルエンザに変異することが懸念されている高病原性鳥インフルエンザの症状としては、これまで東南アジアなどでの事例では、発熱、咳など、ヒトの一般的なインフルエンザと同様の症状に加え、60%以上の感染者に下痢が認められました。また、結膜炎、呼吸器症状や、多臓器不全に至る重症なものまで様々な症状がみられ、死亡の主な原因は肺炎でした。
しかし、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスに変異した場合、その症状の程度は、現在のところ予測することが困難です。

V−4Q.新型インフルエンザにかかったかどうか、どうしたらわかりますか。
A.現在、新型インフルエンザは発生しておらず、その臨床症状については予測することが困難です。将来的に、新型インフルエンザが出現した場合、特定の症状がある場合には、医療機関を受診し、専門的な検査を受けることとなります。厚生労働省では、その検査法について、研究開発を進めています。

V−5Q.新型インフルエンザの治療法はあるのですか。
A.インフルエンザの治療に使われている抗インフルエンザウイルス薬が有効であると考えられており、今回の行動計画では、2500万人分の抗インフルエンザウイルス薬を備蓄することとしました。抗インフルエンザウイルス薬については、本Q&Aの第W章で詳細に扱っております。また、V−1にあるようにワクチンも開発中です。治療薬、治療方法について、最新の知見が発表され次第、情報提供し、国がとるべきしかるべき対応策について公表してまいります。

■W.リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)について

W−1Q.タミフルの効能・効果、用法・用量について教えてください。
A.タミフル(有効成分:リン酸オセルタミビル)は、A型又はB型インフルエンザの治療及びその予防のために使用される医薬品であり、カプセルタイプとドライシロップタイプがあります。その効能・効果、用法・用量は、次のとおりです。

<<タミフルカプセル75>>
<効能・効果>
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防
<用法・用量>
1.治療に用いる場合
通常、成人及び体重37.5kg以上の小児は1回1カプセルを1日2回、5日間服用する。
2.予防に用いる場合
通常、成人及び13歳以上の小児は1回1カプセルを1日1回、7〜10日間服用する。

<<タミフルドライシロップ3%>>
<効能・効果>
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症
<用法・用量>
通常、成人は1回75mgを1日2回、5日間服用する。
通常、幼小児は1回2mg/kg(体重1kgあたり2mg)を1日2回、5日間服用する。
タミフルは医師の処方せんによって投薬されることが薬事法によって義務付けられており、医師の処方せんなしに薬局等において購入することはできません。

W−2Q.タミフルは、どのような時に服用するのですか。
A.タミフルは、医療機関で診察を受け、医師がタミフルの必要性を十分検討した上で、患者に処方するものです。インフルエンザに感染したすべての患者がタミフルを服用する必要はないと考えられます。
 健康な成人の方では、一般的に、インフルエンザウイルスに感染し、症状が出てから3〜7日間でウイルスの排出も終わると言われています。
 また、タミフルは、インフルエンザの症状が出てから2日(48時間)以内に服用を開始することとされています(症状が出てから48時間経過した後に服用を始めた場合には、その有効性を裏付けるデータはありません)。
 なお、65歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患の患者など、インフルエンザにかかった場合に重症化しやすい方々については、同居する方がインフルエンザにかかったときに、その予防のために、医療機関で診察を受け、タミフルが処方されることがあります。一般的な予防投与は認められていません。
 予防のために服用する場合には、インフルエンザに感染した患者に接触した後2日(48時間)以内に服用を開始することとされています(接触してから48時間経過した後に服用を始めた場合にも、その有効性を裏付けるデータはありません)。

W−3Q.1歳未満の子どもや妊婦、授乳婦がタミフルを使用するときの注意を教えてください。
A.
○ 1歳未満の子どもについて
 1歳未満の子どもについては、安全性及び有効性が十分確認されていないので、医師がタミフルの必要性を慎重に検討し、かつ、その保護者の方々に、服用方法、注意を要する副作用等を丁寧に説明し、同意を得た上で、使用することとされています。
○ 妊婦の方等について
 妊婦又は妊娠している可能性のある方については、医師がタミフルの必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が胎児への影響等の危険性を上回ると判断する場合にのみ使用することとされています。
○ 授乳婦の方について
 授乳をしている方については、タミフルを飲んだときは授乳を避けてください。

W−4Q.タミフルを飲んではいけない場合や、特に注意することが必要な場合を教えてください。
A.
○ タミフルに過敏症がある方についてこれまで、タミフルを服用した後に、発疹やショックなどの過敏症の症状が出たことがある方はタミフルを服用してはいけません。
○ 腎機能に障害がある方について
 腎機能に障害がある方は、血液中のタミフル濃度が高くなることから、その服用方法が一般の方と異なることがあるので、医師の指示を厳格に守って服用してください。
○ 遺伝性果糖不耐症の方について
 遺伝性果糖不耐症の方は、タミフルドライシロップ3%には果糖の前駆物質(体内で果糖に変換される物質)添加されているので、服用する場合には医師の指示を厳格に守ってください。

W−5Q.タミフルの副作用について教えてください。
A.タミフルを服用したときは、腹痛、下痢、嘔気などがあらわれることがあります。
 また、まれに、タミフルの服用により、重い副作用を起こすことがあります。
 具体的には、ショック、アナフィラキシー様症状*1、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)*2、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)*3、精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄(せんもう)(意識がもうろうとした状態)、幻覚、妄想、痙攣(けいれん)等)などがあらわれることがありますので、これらの症状があらわれた場合は、直ちに医療機関に受診してください。
*1 ショック、アナフィラキシー様症状:重症の過敏症であり、初期症状として顔面や上半身の紅潮・熱感、皮膚が痒い、唇や舌・手足がしびれるなどの症状をきたし、進行すると血圧低下、呼吸困難、痙攣などから意識消失、呼吸停止に至ることがあります。
*2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):重症の皮膚障害であり、初期症状として発熱、関節が痛い、皮膚がまだらに赤くなる、水ぶくれができるなどの症状をきたし、進行すると、眼、鼻、口、外陰部などに充血、びらんが起きることがあります。
*3 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):極めて重症の皮膚障害であり、初期症状として発熱、発疹、皮膚が焼けるように熱く感じる、水ぶくれができるなどの症状をきたし、進行すると、急速に全身の皮膚が傷害され、発赤、水ぶくれ、びらんが広がる、皮膚がむけやすくなり、重症のやけどのようになる、口や目の粘膜にもびらんが起きることがあり、時には意識障害や呼吸困難に陥ることもあります。

W−6Q.タミフルを服用した後の異常行動等による小児の死亡例が報道されていますが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてはどのように考えているのですか。
A.タミフルを服用した16歳以下の異常行動によるものを含む小児13例(治験時1例を含む。)の死亡が報告されています。これら小児の死亡事例とタミフルとの関係については、本年11月18日に米国食品医薬品局(FDA)が評価を依頼した小児諮問委員会においても、「現時点で得られている事実からは、因果関係を示す証拠はないと考えられる」と評価されています。
 厚生労働省としては、専門家の意見も聞いたところ、タミフルと死亡との関係については否定的であることなどから、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていません。
 医師の指示に従って適切に服用するとともに、副作用の症状があらわれたときは、医師、薬剤師に相談してください。

W−7Q.タミフルを服用した後の成人の死亡例も報告されているようですが、厚生労働省としては、タミフルの安全性についてどのように考えているのですか。
A.タミフルを服用した成人(17歳以上)の死亡が報告されていますが、専門家の意見も聞いたところ、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)*1及び腎不全*2による死亡2例については因果関係を否定できないものの、それ以外の24例についてはタミフルと死亡との因果関係は否定的であるとされています*3。
 タミフルの服用に伴い中毒性皮膚壊死症及び腎不全がごくまれにあらわれることについては、添付文書の使用上の注意にそれぞれ平成14年10月及び平成15年7月に記載し、注意を喚起しているところです。
 したがって、厚生労働省としては、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていません。
 医師の指示に従って適切に服用するとともに、副作用の症状があらわれたときは、医師、薬剤師に相談して下さい。
*1 中毒性表皮壊死症は、一般用医薬品を含めた多くの医薬品においてごくまれにあらわれる副作用として報告されています。医薬品・医療機器等安全性情報No.218
(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/10/h1027-1.html)の「2.医薬品による重篤な皮膚障害について」を御参照下さい。
*2 タミフルと腎不全との因果関係が否定できない事例が、これまでに10例(死亡例は本例のみ)報告されています。
*3 タミフル発売(平成13年2月)後に厚生労働省に報告された事例については上記のとおりですが、これとは別に、タミフルの製造販売業者は、そもそもタミフルとの因果関係がないものとして死亡8例を把握していると聞いています。

(参考:タミフルの有用性について)
(1)医薬品は、人体にとって本来異物であり、何らかの副作用が生ずることは避け難いものです。このため、治療上の効能・効果と副作用の両者を考慮した上で、医薬品の有用性が評価されるものです。
(2)タミフルについては、
○ WHOや欧米においても、インフルエンザに有効な医薬品は実質的にタミフルしかなく、新型インフルエンザ対策の重要な柱として位置づけられており、
○ タミフルとの因果関係を否定できない死亡例が上記のとり報告されていますが、ごく限られたものです。
(注)昨年冬のインフルエンザ・シーズンにおけるタミフルの国内供給量は約860万人分。
(3)したがって、タミフルは医薬品として高い有用性が認められるものであり、通常のインフルエンザ及び新型インフルエンザ対策の上で、必須の医薬品と考えられています。

W−8Q.タミフルをインターネット等で個人輸入して、使用してもかまわないのでしょうか。
A.タミフルは、医療機関を受診し、医師の指示に従って服用する医薬品です。
 タミフルを個人輸入して、自己判断で使用することにより、健康被害が引き起こされる可能性もありますから、安易に個人輸入して使用することは控えて下さい。

〔参考〕
1.タミフルの添付文書は、医療用医薬品の添付文書情報(検索ページ)
http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html)の「一般名・販売名」に「タミフル」と入力し、[検索実行]ボタンをクリックすることにより入手できます。
2.タミフルの「くすりのしおり」(医師や薬剤師などの医療提供者から患者さんに、その「くすり」の概要を説明する際の補助資料です。)は、くすりの適正使用協議会のウェブサイト(http://www.rad-ar.or.jp/siori/kensaku.html)で、検索・入手できます。
3.タミフルのインタビューフォーム(医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書です。日本病院薬剤師会が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼しているものです。)は中外製薬株式会社ウェブサイトの「医療関係者向け情報」(http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/di)で、検索・入手できます。
4.「インフルエンザ脳症ガイドライン」(厚生労働省 新興・再興感染症「インフルエンザ脳症の発症因子の解明と治療及び予防方法の確立に関する研究」班作成)は、
http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/ped/pedhome.html で入手できます。

■X.問い合わせ先

X−1Q.新型インフルエンザについて、わからないことはどこに問い合わせればよいのですか。
A.新型インフルエンザ等に関する情報は、厚生労働省のホームページを随時更新する予定です。なお、ご不明な点につきましては、厚生労働省健康局結核感染症課(電話03−5253−1111)にお問い合わせ下さい。

■ 新型インフルエンザに関するQ&A−前半(厚生労働省ホームページより) (2006年 01月 17日 23:56)

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 厚生労働省は、平成17年10月に、新型インフルエンザ対策推進本部を設置し、その対策のための行動計画を策定した。また、国民が新型インフルエンザについて正確に理解し、その予防など冷静に対応できるよう「新型インフルエンザに関するQ&A」を作成し、今後も新型インフルエンザに関して、正確かつ迅速な情報提供に努めるとしています。
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 「新型インフルエンザに関するQ&A」は平成17年11月15日に作成され、その後、同年11月30日と12月15日に改訂が行われています。ここでは、同年12月15日改訂のものを2回に分けて転載いたします。詳しくは、厚生労働省ホームページ(URL;http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html)を参照ください。(なお、添付されている図表は省略いたしました)

■ T.新型インフルエンザの流行

T−1Q.新型インフルエンザとは何ですか。
A.インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。
ヒトだけでなく、他の動物もインフルエンザウイルスに感染します。通常、インフルエンザウイルスは、例えばヒトからヒトへといった同種の間で感染するものです。
 しかし、インフルエンザウイルスの性質が変わる(変異する)ことによって、これまでに、ヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスが、ヒトへ感染するようになり、そしてさらにはヒトからヒトへ感染するようになります。この変異したインフルエンザウイルスのことを新型インフルエンザウイルスといい、そのウイルスによって起こるインフルエンザを新型インフルエンザといいます。

T−2Q.これまでに新型インフルエンザの流行はありましたか。
A.新型インフルエンザとして、大正7年(1918年)に「スペインインフルエンザ」、昭和32年(1957年)に「アジアインフルエンザ」、昭和43年(1968年)に「香港インフルエンザ」、昭和52年(1977年)に「ソ連インフルエンザ」が流行しています。これらはいずれも世界的に流行し、多くの死亡者(たとえば、「スペインインフルエンザ」において、世界では約4,000万人、わが国では約39万人が死亡)を出しました。新型インフルエンザは、10年から40年の周期で流行するといわれています。
 しかし、新型インフルエンザウイルスがいつ出現するのか、予測することはできません。

(注:これまで一般に、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜ、ソ連かぜと表記してきたものについては、本資料では、それぞれ、スペインインフルエンザ、アジアインフルエンザ、香港インフルエンザ、ソ連インフルエンザと表記しています。)

T−3Q.なぜ、新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)の可能性が指摘されているのですか。
A.T−1に記載があるようにインフルエンザウイルスが変異し、新たにヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザの世界的流行の可能性が示唆されています。新型インフルエンザがもし発生した場合、基本的にすべての人々は、そのウイルスに対して抵抗力(免疫)をもたないため、新型インフルエンザはヒトの間で、広範にかつ急速に広がると考えられます。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短時間に地球全体にまん延すると考えられます。この世界的流行をパンデミックといいます。
 ただし、新型インフルエンザウイルスがどのくらい強い感染力をもつのかについては、現段階ではわかりません。

T−4Q.新型インフルエンザの世界的な流行(パンデミック)を阻止することはできないのですか。
A.パンデミックを阻止することは世界的にも非常に困難であると考えられていますが、最近の研究では、新型インフルエンザの発生の初期で、その範囲が限られている場合においては、抗インフルエンザウイルス薬の内服と移動制限を行うことで、流行の拡大を遅らせ、次の対策を講じることができることになります。しかし、これまで世界中で経験がないことなので、どの程度成功するかは未知数です。初めて発生する地域で、その発生をいかに早期に発見し、適切な対策をとることが大切です。
 我が国の対策については、「新型インフルエンザ対策行動計画」に示されています。

T−5Q.新型インフルエンザが全国的に流行した場合に、どのくらいの人が感染すると予測されるのですか。
A.米国疾病管理センターの計算式に日本をあてはめると、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、約1/4の人が感染すると予想され、また、医療機関を受診する患者数は最大で2500万人と推定されています。

T−6Q.国は新型インフルエンザの流行に対してどのような準備をしているのですか。また、流行した場合、どのような対策をとるのですか。
A.厚生労働省では、平成17年10月、国民への正確な情報の提供、予防や治療など、その流行状況に応じた対策を総合的に推進するため、厚生労働大臣を本部長とする「新型インフルエンザ対策推進本部」を設置しました。同時に、厚生労働省では、「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、新型インフルエンザの発生状況に合わせた具体的な対策を講じることとしています。

■ U.鳥インフルエンザと新型インフルエンザ

U−1Q.鳥インフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザとはどのような病気ですか。
A.インフルエンザウイルスは、自然界においてカモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類に感染します。それを鳥インフルエンザといいます。また、鳥インフルエンザのなかでも、ニワトリ、カモなどが死亡してしまう重篤な症状をきたすものを高病原性鳥インフルエンザといいます。その原因となるウイルスは高病原性鳥インフルエンザウイルスといわれています。鳥インフルエンザおよび高病原性鳥インフルエンザについては国立感染症研究所情報センターホームページ(URL;http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)を参照ください。

U−2Q.鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)ウイルスがヒトに感染した例はありますか。
A.鳥インフルエンザウイルスは、通常ヒトに感染することはありませんが、近年、図1のように(図は略)、ヒトにおける高病原性鳥インフルエンザ発症事例が報告されています。これまで、タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアを中心に、132人が発症、68人の死亡者がでています(2005年11月25日現在)。

U−3Q.鶏肉や鶏卵を食べて、鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)に感染することはありますか。
A.鳥インフルエンザについては、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによって、ヒトに感染したという事例の報告はありません。このため、食品衛生の観点からは、鶏卵や鶏肉について特段の措置は必要ないものと考えられます。
なお、鶏卵を「生(なま)」で食べることが健康を損なうおそれがあるとの報告はこれまでありませんが、不安の方は、加熱(WHOの食中毒防止のための加熱条件:中心部70℃、瞬間)することをお勧めします。鶏肉は十分加熱して食べてください。未加熱又は加熱不十分なままで食べることは、食中毒予防の観点からお勧めできません。
 また、食品安全委員会も、平成16年3月に、鶏肉や鶏卵は「安全」とする見解を示しています。詳細は、食品安全委員会ホームページをご参照ください。

U−4Q.鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)と新型インフルエンザとはどのような関連があるのですか。
A.鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザになるには、2つの仕組みがあります。
ひとつの仕組みは、鳥インフルエンザウイルスがヒトや鳥類の体内で変異し、ヒトからヒトへ感染するウイルス(新型インフルエンザウイルス)になることです。もうひとつの仕組みは、ヒトやブタに、ヒトのインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが同時に感染し、それぞれが混ざり合い、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザウイルスになることです。
■ 外的衝撃で起こる心室細動 心臓震盪 (2005年 12月 13日 11:35)
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 胸にボールなどが当たった結果、心室細動が出現するのが、心臓震盪と呼ばれる病態。心臓に異常が認められない健康優良児であっても、突然死をきたすことがある。胸骨や肋骨が比較的柔らかい小学生から高校生までに多く、わが国では、1997年から2004年までの間に心臓震盪で13人が死亡したことが明らかになっている。1)
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平成17年2月から5月にかけて北国新聞の「医師の目 人の眼 ハートが大切」を執筆された東京都済生会中央病院副院長三田村秀雄先生は、その記事の中で「胸に受けた球で突然死」を紹介している(北国新聞平成17年2月28日)2)。
朝日新聞(平成17年7月17日)3)には、「昨年8月、徳島と福島で、投球と打球をそれぞれ胸に当て選手が亡くなる事故があった。いずれも、胸への衝撃によって心臓の筋肉がけいれんする心室細動が起き、致死的な状況に陥る「心臓震盪」が原因と見られている。今年2月には、仙台地裁で、キャッチボールで誤って他人の胸に球を当て、心臓震盪を引き起こした小学生2人の両親に約6070万円の損害賠償を命じる判決を下し、社会問題としても認知され始めた。この様な高校球児の死亡事故が続いたのをきっかけに、日本高野連が第87回全国高校野球大会(平成17年8月)に向けて、心臓による突然死の対策として、自動体外式除細動器(AED:Automated External Defibrillation)の導入を決定した。」と報道されている。
石川県教育委員会は金沢市を除く公立の全小中高校を対象に、心臓に電気ショックを与える「自動体外式除細動器」(AED)の講習会を開き、教員の救急救命力を高める。昨年から一般市民の使用が可能となったことを受けて、各校一人以上の講習会出席を義務付け、適切な使用方法を修得させる。空港などで設置が進むAEDは、突然の心臓停止に効果的な治療法とされ、修学旅行などでの「トラブル」に備える。金沢市立の学校は、市教育委員会が市消防本部と連携して個別に取り組んでいる、という(北國新聞:平成17年7月19日)4)。
 Nikkei Medical 2005年10月号15頁 1)には、「外的衝撃で起こる心室細動 心臓震盪」と題し、心臓震盪について次のような記事が掲載されている。
「心臓震盪による心室細動の発生には、@強さA位置Bタイミング の3つの要素が関与している。強さは、胸骨や肋骨の柔らかさと衝撃物の硬さに左右される。胸骨や肋骨が柔らかい場合や衝撃物が硬い場合は、衝撃が直接的に心臓に伝わりやすい。そして衝撃物が心臓に近い胸部全面の中央からやや左側に当たった場合に心室細動が起きやすい。
 更に、衝撃物の当たるタイミングが心電図上のT波頂点の10〜30msec手前、すなわち心臓の収縮途中に衝撃物が当たった場合、先行するT波にR波が重なって(R on T型)心室細動を起こす。
 これら3つの条件がすべてそろう確率はかなり低いと考えられる。だが戸田中央病院救急部部長の輿水健治氏は『心臓震盪は決して珍しい病態ではない』と強調する。一回の拍動で心臓震盪が起こる確率は2%(20/1000秒)にすぎないが、運動中は心拍数が上がるため、頻度が増すからだ。
 心臓震盪は野球のボール(軟球も含む)が当たって引き起こされるケースが最も多く、ホッケーのパックやラクロスのボール、空手の膝蹴りなどが当たっても起きている。
 しかし、東京都済生会中央病院副院長の三田村秀雄氏は『胸部に衝撃をもたらすものは、スポーツだけに限らない』と話す。けんかや幼児虐待による死亡にも、この機序が関与しているとの指摘もある。だが、『心臓震盪により死に至った場合、行政解剖を行っても胸部の皮膚に打撲の跡があるだけで、心臓の異常は認められないため、正確な死亡診断が付かない可能性がある』と三田村氏。
 実際、国内での心臓震盪の実態はまだ分かっていない。治療上の問題もある。心臓震盪には、AEDによる除細動しか有効な方法がないが、AEDの適用は8歳以上に限られている。現在、厚労省では小児用AED電極パッドの認可に向けて検討を進めている。」
参考資料
1)外的衝撃で起こる心室細動 心臓震盪:Nikkei Medical 2005年10 月号15頁
2)三田村秀雄:北國新聞 平成17年2月28日
3)朝日新聞:平成17年7月17日
4)北國新聞:平成17年7月19日
■ 「妊娠と薬情報センター」の設置について (2005年 11月 11日 01:29)
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厚生労働省医薬食品局安全対策課は、報道資料として、「平成17年10月3日(月)から国立成育医療センター内に『妊娠と薬情報センター』を設置し、服薬による影響について相談・情報収集事業を開始する(平成17年9月28日付)」と発表しています。なお、設置当初(平成17年度中)は、試験的に相談業務の対象地域を世田谷区としています。
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 発表内容はhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/09/h0928-4.htmlで閲覧できます。
その内容はは次の通りです。
 「 『妊娠と薬情報センター』の設置について
1.概要
 平成17年10月3日(月)から、国立成育医療センタ−内に『妊娠と薬情報センタ−』を設置し、服薬による影響について相談・情報収集事業を開始する。
2.経緯
 医薬品の胎児への影響については、必ずしも十分な情報がないことなどから、服薬による影響の相談・情報収集について、平成17年1月から3回にわたり『妊婦の服薬情報等の収集に関する検討会』を開催したところであり、各分野の委員からの意見を踏まえ、今般、『妊娠と薬情報センター』を設置し、相談窓口を設置するとともに出生児に関する情報を収集するための仕組みを構築する事業を開始するものである。
3.具体的な事業内容
(1)国立成育医療センターに『妊娠と薬情報センター』を設置する。
なお、設置当初(平成17年度中)は、試験的に相談事業の対象地域を世田谷区とすることとする。
(2)上記の『妊娠と薬情報センター』において
・服薬による影響を心配する妊婦又は妊娠を希望する女性からの主治医を通じた相談及び対面相談を受ける相談事業を開始する。
・相談事業を通じて、妊婦の同意・協力を得て出生児に関する情報を収集・蓄積する。
【参考】『妊娠と薬情報センター』の連絡先
住所:〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1 国立成育医療センター内
TEL:03-5494-7845(代表)
FAX:03-3415-0914
ホームページ:http://www.ncchd.go.jp/
※:上記TEL及びFAXは、平成17年10月3日に開設予定 」
となっています。

ホームページ:http://www.ncchd.go.jp/ を開きますと、国立成育医療センターのホームページ(平成17年11月4日更新)を閲覧できます。その中の、「妊娠と薬情報センター」をクリックすると、「妊娠と薬情報センターとは?」の画面を閲覧できます。
 妊娠と薬情報センター事業の、今後の全国展開が期待されます。

■ 食品安全委員会 大豆イソフラボンの1日摂取目安量を再審議 (2005年 10月 21日 10:34)
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 「揺らぐ大豆イソフラボン 食品安全委員会 摂取目安を再審議「取りすぎ」体に悪影響」という見出しで、健康によいと注目されている大豆イソフラボンの1日摂取目安量について食品安全委員会で再審議されていることが、朝日新聞(平成17年9月23日)に報道されている。1)
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 大豆イソフラボンは、大豆、主に大豆胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種であり、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインの3種類の非配糖体(イソフラボンアグリコン)とそれぞれに3種類の配糖体(ゲニスチン、ダイズイン、グリシチン)が知られている。
味噌、納豆等の大豆発酵食品中にはイソフラボンアグリコンが多く含まれるが、ほとんどの場合、食品中でイソフラボンは配糖体として存在している。これまでに、大豆イソフラボン配糖体を関与成分とする清涼飲料形態の特定保健用食品が既に許可され、販売されているが、今般、イソフラボンアグリコンを関与成分とする食品及びイソフラボン配糖体を関与成分とする錠剤形態の食品について、新たに特定保健用食品としての安全性評価が行われ、その結果が案として専門調査会から報告(平成17年4月)されている。2)
大豆製品に含まれるイソフラボンは、主なものとしてゲニスチン(配糖体)約60%、ダイズイン(配糖体)は約30%、これらは腸内細菌叢で加水分解(βグルコシダーゼにより)され、それぞれゲニステイン(アグリコン)とダイゼイン(アグリコン)となり、更に腸内細菌叢の酵素によりゲニステインは6-ハイドロキシ-O-DMAやジハイドロゲニステインに、ダイゼインはO-DMAやイコールに代謝されます。この中でイコールのみがエストロゲン作用を持つことが知られている。従って、大豆イソフラボン配糖体を摂取した場合、その中のダイズインのみが腸内細菌叢での加水分解と酵素による代謝でイコール(エストロゲン活性有)へ変換されることになる。2)
平成17年9月28日に、NHKの“ためしてガッテン”で「豆乳!うわさの大検証」が放送された。その中で、専門家の解説として「『イコールができなければイソフラボンに期待できない』というわけではないが、イコールができる人とそうでない人とでは、効果の出方に大きな差があるということが判明しつつあります。イコールができる人とできない人が分かれるのは、イコールを作りやすい腸内細菌がいるかどうかという違いが原因です。これは食生活によって変わる可能性があります。」と解説している。3)
大豆イソフラボンは、構造が女性ホルモンのエストロゲンによく似ている。このため体内でエストロゲンと同様の作用をすることが期待され、更年期にエストロゲンの減少で進行する骨粗鬆症などの予防に有効とされる。だが過剰に摂取すれば、内分泌かく乱作用などの懸念もある。同委員会の専門調査会は、疫学や実験のデータをもとに安全性に問題のない摂取量の目安を議論してきた。専門委員会が4月に示した摂取量の目安案は、アグリコンの量として、男性1日当たり70mg、閉経前の女性はアグリコンの量として59mg、閉経後の女性は同71mgであった。一方、国民栄養調査(02年)による主な大豆食品100g中のアグリコンの平均含有量は、みそ49.7mg、納豆73.5mg。目安案は「日常的に食べている豆腐や納豆などの伝統的な大豆食品による摂取量では安全性への懸念はない」とした。だが、4、5月、一般の意見を求めたところ、「納豆は1パックが40〜50gだから、2パック程度で超えてしまう」「大豆食品の食べ過ぎで影響が出たなどは聞いたことがない」といった指摘がなされた。その後、専門調査会は、日常的な食生活に上乗せして摂取するアグリコンの量として、エストロゲン製剤1錠分に相当する「26mg以内」とする修正案を出したが、結論は出ず、現在も審議が続いている。1)2)
現時点では、エストロゲン製剤の服用患者について、特定保健用食品などの大豆イソフラボン製品の摂取量については大量にならぬようチェックが求められる。
参考資料
1)朝日新聞 平成17年9月23日
2)大豆イソフラボンの安全性評価について(案):新開発食品専門調査会 平成17年4月
;内閣府食品安全委員会:意見募集
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/iken-kekka/kekka.html
3)ためしてガッテン;豆乳!ウワサの大検証(2005年9月28日放送)
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q3/20050928.html

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