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■ 「あなたの食事は大丈夫? 食事バランスガイドの活用を!」平成17年度食生活改善普及運動がスタートしました (2005年 10月 07日 12:55)
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 厚生労働省健康局は、通知「平成17年度食生活改善普及運動の実施について」を都道府県、政令市、特別区、市町村及び関係団体に発出し、平成17年度食生活改善普及運動をスタートさせました。平成17年10月1日(土)から同月31日(月)までの1カ月間を食生活改善普及月間。
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 本年6月には、これまで普及・定着に努力していた「食生活指針」をより具体的な行動に結びつけるために、「何を」「どれだけ」食べればよいかを示した「食事バランスガイド」が厚生労働省及び農林水産省との協働で策定されました。
 平成17年度食生活改善普及運動は、正しい食生活の実践のための「食事バランスガイド」を活用し、「食生活指針」の普及・定着を図るとともに、国民一人ひとりの食生活改善に対する自覚を高め、日常生活での実践を促進するために、平成17年10月1日(土)から同月31日(月)までの1カ月間を食生活改善普及月間として展開するものです。
平成17年度食生活改善普及運動の要点は次のようなものです。
○名称
 平成17年度食生活改善普及運動
○趣旨
栄養・食生活においては、食生活を取り巻く環境の変化から、加工食品や外食への過度の依存、食卓を中心とした家族団らんの喪失が見受けられるほか、男性の肥満や若い女性のやせの増加など、正しい食生活についての認識が低下していると考えられる。このため、文部科学省、厚生労働省及び農林水産省において「食生活指針」の普及・定着に向け、各種事業の推進を行っており、さらに本年6月には「食生活指針」をより具体的に行動に結びつけるために、「何を」「どれだけ」食べればよいかを示した「食事バランスガイド」を厚生労働省及び農林水産省との協動により策定したところである。これらの状況を踏まえ、正しい食生活の実施のための「食事バランスガイド」を活用し、「食生活指針」の普及・定着を図るとともに、国民一人ひとりの食生活改善に対する自覚を高め、日常生活での実践を促進するために展開する。
○実施機関
 厚生労働省、本運動の趣旨に賛同する都道府県、政令市、特別区、市町村及び関係団体
○実施期間
 平成17年10月1日(土)〜10月31日(月)
○統一標語
 「あなたの食事は大丈夫? 食事バランスガイドの活用を!」
○重点活動の目標
 特に、30歳〜60歳代男性の肥満傾向にある者、単身者、子育てを担う世代を対象とする。
・30〜60歳代男性の肥満傾向にある者
(1)食事はバランスよく、夕食は軽めに。
(2)油を使った料理は控えめに。
(3)野菜はもっと食べましょう。副菜は5つ。
・単身者
(1)食事が基本。健康は食事から。
(2) 朝食は欠かさず。
(3)外食・中食でも、もっと野菜料理を。
・子育てを担う世代
(1)食事はバランス良く。親子で楽しく。
(2)朝食は欠かさず。
(3)めざせ。野菜大好き。
○重点活動の内容
(1)「食事バランスガイド」等を活用し、食生活の問題点を明確にし、日々の活動に見合った主食、副菜、主菜の食事量を示し、適正摂取を楽しく継続させるため食生活改善の意欲が増すような支援を行う。
(2)BMI(Body Mass Index)やウエスト周囲径測定の普及とともに、内臓肥満や糖尿病等のメタボリックシンドロームに関する理解を深め、標準体重などから自分の体型に対する自己評価が正しく行えるようにする。
(3)野菜料理などの副菜の摂取量が少ないことを気づかせ、野菜の摂取量を増やすための料理選択の工夫を、対象の特性に応じて支援を行う。
(4)単身者など朝食を欠食しがちな単身者等については、簡単にできる朝食の組合せなど、日常生活のなかで実践できるような支援を行う。
(5)肥満が気になる者には、エネルギーと脂質との関係を理解し、油を多く使った料理を知り、日常生活のなかで油の摂取量を控えるための工夫ができるように食生活の支援を行う。
(6)肥満又は過度のダイエット志向の者に対して、食生活と運動の両面からのプログラムを提供するとともに、その実践が継続できるように支援する。
○活動の方法(略)
○関係機関の役割(略)
☆食事バランスガイドに関するホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
 以上の詳細については、引用資料を参照して下さい。

引用資料
厚生労働省:平成17年度食生活改善普及運動の実施について
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/09/tp0901-3.html
■ コエンザイムQ10の1日の安全な摂取目安量について (2005年 09月 12日 22:59)
 平成17年8月24日付けの薬事日報に次のようなコエンザイムQ10に関する記事が掲載されています。
「コエンザイムQ10については、健康被害との因果関係は不明であるが、これを含有する食品を摂取して、消化器症状を呈したとの健康被害報告が寄せられている。こうした点を踏まえ厚労省は日本健康・栄養食品協会(日健栄養協)に対し、2003年11月に注意喚起表示を含む食品規格基準の設定を検討するよう求めていた。日本健康・栄養食品協会は、データ収集するなどした結果、1日摂取目安量として300mgまで安全であるというデータを得たため、1日摂取目安量の上限値を300mg以下にしたいとの中間報告を同省に行った。厚労省はこれを踏まえ、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼した。今後は食品安全委員会が意見を聴いた後、関係業界などに評価結果を通知することになる。」
また、独立行政法人国立健康・栄養研究所のホームページの「健康食品の素材情報データベース「コエンザイムQ10」の欄(2005/8/26記事更新)」には次のような記載もみられます。
「経口摂取でコエンザイムQ10は一般的に高用量でも副作用のでにくい物質である。ヒト臨床研究では有意な副作用は認められていない。コエンザイムQ10は軽度の副作用を引き起こす可能性はある(胃の不調が0.39%、食欲不振が0.23%、吐き気が0.16%、下痢が0.12%の人で見られた。)1日当たり100mgを超える量を摂取する場合、2〜3回に分けて摂取することで副作用を最小限に抑えることができる。」
参考資料
1)「CoQ10の健康影響を評価 厚労省が食品安全委に依頼 日健栄養協「薬の10倍量で安全」」:薬事日報 平成17年8月24日より
2)独立行政法人国立健康・栄養研究所ホームページ:http://hfnet.nih.go.jp/main.php
■ 糖尿病予防対策における厚生労働省の5カ年計画 (2005年 07月 22日 14:19)
 平成17年6月20日の朝日新聞に「ストップ・ザ・糖尿病 9000人調査 厚労省5年計画 IT活用」という見出しで、厚労省の糖尿病予防対策が次のように紹介されています。
 「生活習慣の変化や高齢化で糖尿病患者が増えていることから、厚生労働省は予防対策などを強化するため、9100人を対象にした大規模な研究に乗り出す。発症者の半減など目標値を掲げ、IT(情報技術)を使った生活習慣の管理などに取り組み、どれだけ効果があるかを探る。研究期間は5年間。」
 その研究の概要については、厚労省のホームページ「厚生労働省:戦略研究の創設にかかる検討状況(報告)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0318-8h.html に掲載されています。以下のとおりです。
糖尿病予防対策研究〔Japan Diabetes Outcome Intervention Trial : J-DOIT〕
■研究課題名:J-DOIT 1
アウトカム(成果目標):耐糖能異常から糖尿病型への移行率が半減する介入方法の研究
研究方法:「対象」;地域・職域検診の要指導者で30-64歳の耐糖能異常4500名。全国で20グループを編成。対面型個別指導群、非対面型(IT活用)個別指導群、集団指導(対照)群に無作為割付。「介入方法、精度管理、収集データ」;対面またはIT活用等による生活習慣(食事・身体活動中心)介入プロトコールを定めて実施。医学的検査は登録時、最初の6ヶ月間は月1回、それ以降は3ヶ月毎に実施。「分析方法、その他」;登録者全員を解析対象とする。「その他必要事項」;サンプルサイズの縮小、研究グループ単位で審査、予算規模
■研究課題名:J-DOIT 2
アウトカム(成果目標):糖尿病患者の治療の中断率が半減する介入方法の研究
研究方法:「対象」;都市部(人口10-20万程度)に在住し、かかりつけ医で治療するU型糖尿病患者。糖尿病診療達成目標を地区医師会全体で共有し、目標達成のための支援としての『患者指導コメディカル派遣・IT診療支援群』『対照群』に割付。「介入方法、精度管理、収集データ」;初年度は数地区でパイロット研究を行い、本試験の手法および実施可能性等について検討する(約1600人)。医学的検査・治療の実施率は、登録時、約3ヶ月ごとに測定。「分析方法、その他」;登録全地域・患者全員を解析対象とする。「その他必要事項」;パイロットスタディ、糖尿病診療達成目標(共通)の作成、患者指導コメディカルの訓練・派遣方法整備、IT診療支援システム開発・実証試験
■研究課題名:J-DOIT 3
アウトカム(成果目標):糖尿病合併症の進展を30%抑制する介入方法の研究
研究方法:「対象」;HbA1c≧7.0%U型糖尿病で、収縮期血圧≧140または拡張期≧90mmHgかつ脂質代謝異常のある40-69歳の3000名。強化治療群、通常治療群に無作為割付。「介入方法、精度管理、収集データ」;生活習慣(減量、食事、運動、禁煙)、血圧、脂質、血糖への介入方法を定めて実施。医学的検査は登録時、定期的来院時、1年ごと。「分析方法、その他」;登録者全員を解析対象。「その他必要事項」;中央検査項目の選定、モニタリングネット整備、中断者の要因・動態分析
参考資料
朝日新聞「ストップ・ザ・糖尿病 9000人調査 厚労省5年計画」: 平成17年6月20日
厚生労働省ホームページ:「戦略研究の創設にかかる検討状況」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/s0318-8h.html
■ プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス (2005年 07月 15日 11:57)
 藤山佳秀らは、薬事日報第10088号(平成17年7月4日)にプロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスという用語について、
「プロバイオティクスという語句は、1965年Lillyらにより初めて用いられたものであり、ギリシャ語の「生命の益になるもの=for life」を語源にしている。Fullerは「腸内細菌叢を変化させることにより生態に有益な効果をもたらす生きた微生物」と定義している。乳酸菌、ビフィズス菌などがある。プレバイオティクスは、プロバイオティクスとなる生菌の発育を促し、間接的に宿主に有益な作用をもたらすことを特徴としている。食物繊維やオリゴ糖などがこれにあたる。これらは、単独でも血清脂質や血糖の低下作用を有しているが、さらにプロバイオティクスとなる生菌の発育を促すことによりプロバイオティクスの作用をあわせもっている。
プレバイオティクスとプロバイオティクスを同時に用いることは、シンバイオティクス(Synbiotics)とよばれている。両者を同時に用いることにより、プロバイオティクス単独よりも、より増強した作用が得られるものと注目される」と解説しています。
平成17年7月6日付けの薬局新聞には「わかもと製薬研究報告:キシリトールとクランベリーが乳酸菌WB21増強」という見出しで、乳酸菌WB21は口腔内病原菌増殖抑制作用を示すが、キシリトールとクランベリーの併用により乳酸菌WB21の口腔内病原菌増殖抑制作用がより増強されたことが明らかになった、と報告されています。これもシンバイオティクスといえるかもしれません。
引用
藤山 佳秀、佐々木雅也:薬事日報 第10088号21頁 平成17年7月4日より
薬局新聞 平成17年7月6日号10頁
■ 「規格基準型特定保健用食品」9関与成分の基準が了承されました (2005年 05月 10日 13:58)
 厚生労働省は、医薬食品局長通知(薬食発第0201001号;平成17年2月1日付け)「『健康食品』に係る制度の見直しについて」のなかで、「特定保健用食品(規格基準型)制度の創設」を発表しています。この「規格基準型」について、特定保健用食品の許可件数が多い食品等科学的根拠が蓄積したものについては、許可手続きの迅速化のため、新たに規格基準を作成し、薬事・食品衛生審議会における個別審査を行わず、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室において規格基準に適合するか否かの審査を行うこととした、と解説しています。
 薬事日報(平成17年4月27日付け)は、薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会が9関与成分の基準を了承し、「規格基準型特保」が動き出したと報道しています。同紙は、規格基準型特保について、既に許可を受けている特保の中から、
@保健の用途ごとに分類したグループの許可件数が100件を突破
A関与成分の最初の許可から6年が経過
B複数企業が許可を取得
というスクリーニング基準を満たすものについて、規格基準を作成し許可する制度である。ただし有効性・安全性が事務局(厚労省)で判断できないものは、通常の個別審査が行われる、としています。
 今回、スクリーニング基準を満たし、規格基準が作成されたのは、
保健用途として「お腹の調子を整える」旨を表示するもののうち、
食物繊維区分の @難消化性デキストリン、Aポリデキストロース、Bグアーガム分解物
オリゴ糖区分の C大豆オリゴ糖、Dフラクトオリゴ糖、E乳果オリゴ糖、Fガラクトオリゴ糖、Gキシロオリゴ糖、Hイソマルトオリゴ糖
の9成分。
参考資料:
医薬食品局長通知(平成17年2月1日付け)「健康食品」に係る制度の見直しについて
厚生労働省ホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/topics/050131/index.html
薬事日報:平成17年4月27日
■ カリウムの食事摂取基準:目安量と高血圧予防を目的とした目標量 (2005年 05月 05日 01:58)
 毎週水曜日に放映されている“ためしてガッテン”を見ておられる方は多いと思います。
2005年4月13日に「★大誤解! ミネラル不足の新事実」というテーマで、4月から新しくなった「日本人の食事摂取基準」の中のカリウムの食事摂取基準を取り上げています。
 放映の中では、
 「足りている?足りてない?カリウムの謎」として、「これまでの基準では、カリウムは1日当たり2000ミリグラム必要であるとされてきました(所要量)。日本人の平均摂取量は1日当たり2389ミリグラムで、実は十分満たしてきたのです。一方、新基準では、目指すべき摂取量は1日当たり3500ミリグラムになりました(生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量)。」と紹介されています。放映では、さらに続けて「高血圧予防に!無駄を承知でカリウムたっぷり」として、「以前の摂取基準で、カリウムが1日当たり2000ミリグラムで十分といわれたのは、ナトリウム(摂取)が多すぎない場合の数値です。ところが人間が体質として「塩がおいしいい」と感じる限り、減塩はとても難しいといえます。そこで4月からの新基準では、ナトリウムと一緒に排泄されることも前提に、「1日当たり3500ミリグラム摂取することが望ましい」と述べられています。
 これを「日本人の食事摂取基準 2005年版」で調べてみました。以下の通りです。
・・・・・・目安量(mg/日)・・・・・・・・・・・・・・高血圧予防を目的とした目標量(mg/日)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量・・目標
年齢・・・・・・男性・女性・・・・・・・・・・・・・ 男性・女性・・・・・・・・・・・ 男性・女性
18-29歳・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 2,800/2,700
30-49歳・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 2,900/2,800
50-69歳・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 3,100/3,100
≧70歳・・・2,000/1,600・・・・・・・・・・・・ 3,500/3,500・・・・・・・・・・ 3,000/2,900
(注)生活習慣病予防の観点からみた望ましい摂取量:米国高血圧合同委員会第六次報告が高血圧予防のために、3,500mg/日を摂ることが望ましいとしている値。高血圧の第一次予防を積極的に進める観点からは、この値が支持される。

 平成17年度から平成21年度の5年間使用する「日本人の食事摂取基準(005年版)」は、平成16年10月25日に「日本人の栄養所要量−食事摂取基準−策定検討会」(座長)田中平三 独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長)においてとりまとめられた。
参考資料
nhkホームページ: http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q2/20050413.html
日本人の食事摂取基準(2005年版):医歯薬出版株式会社 11頁
■ コラーゲンの安全性と機能性について (2005年 04月 15日 15:43)
 表題について、国立健康・栄養研究所のホームページで石見佳子氏(国立健康・栄養研究所 食品表示分析・規格研究部)の論文を見つけましたので以下にその概略を紹介します。
 コラーゲンが熱によって変性したものがいわゆるゼラチンです。ゼラチンをさらに加水分解して分子量を数千程度まで小さくしたものがコラーゲンペプチドで、近年いわゆる健康食品の素材として利用されています。
 通常タンパク質はアミノ酸まで分解された後、腸管で吸収されると考えられています。ところがコラーゲンペプチドは、大きな分子量のまま吸収されるという報告があります。
 Oesserらは、マウスに放射性同位元素で標識したコラーゲンペプチドを経口摂取させ、吸収されたコラーゲンペプチドを調べたところ、摂取されたペプチドの95%が12時間以内に吸収されること、また吸収されたペプチドの分子量は500-15,000(アミノ酸にすると5-150個)であることを報告しています。さらに、ペプチドの体内分布を調べたところ、皮膚、肝臓、腎臓、脾臓、筋肉、軟骨など全身に分布していましたが、特に軟骨には分子量の大きなペプチドが蓄積していたということです。近年、比較的大きな分子量のペプチドが小腸から吸収されるという報告がありますが、このメカニズムとして、ある特定の信号となるペプチドを持つタンパク質は、大きな分子量のまま吸収されること、また分子量の大きなペプチドは、小腸の細胞の間隙から吸収される可能性などが考えられています。
 美容効果
 コラーゲンを摂取することによって、コラーゲンの原料となるアミノ酸やペプチドを補給することは出来ますが、実際に皮膚の状態を改善する効果があるかについては、科学的に十分に証明されているわけではありません。
 関節疾患
 米国、英国及びドイツの患者を対象にした臨床試験では、6ヶ月間、1日10gのコラーゲンペプチドを摂取しても変形性関節症に伴う痛みに対しては改善効果が認められない事が明らかにされました。ただ、ドイツ人に限っては統計的に有意な差が認められたということです。日本では、健康食品として摂取したコラーゲンの関節炎に対する改善効果に関しては、まだ十分な科学データが得られていないのが現状とのこと。
 慢性関節リウマチ
 U型コラーゲンを薬として使用することを目的とした臨床試験の報告はありますが、健康食品による効果の報告はないとのことです。
 骨強度に対するゼラチンの作用
 Tanakaらは、閉経後骨粗鬆症モデル動物(OVX)を用いてゼラチンの骨強度に対する効果を観察しています。すなわち、OVXラットにゼラチン添加食(カゼイン10%+ゼラチン5%)を60日摂取させ、対照群(カゼイン15%)と比較したところ、明らかに大腿骨の破断強度が増強したと報告しています。一方、Koyamaらは10%のカゼイン食のうち4%をゼラチンで置き換えた食餌により、正常マウスの大腿骨骨密度が増加したこと報告しています。
 ヒト骨粗鬆症に対するコラーゲンペプチドの作用
 Adamらは、骨粗鬆症患者にカルシトニンと同時にコラーゲンペプチドを投与すると、カルシトニン単独に比べて骨吸収の指標になる尿中ピリジノリン排泄が低下することを確認していますが、ヒトの骨密度に対するコラーゲンペプチド摂取の効果に関しては殆ど科学的データがないため、今後さらに詳細に検討する必要があるとしています。
 石見佳子氏は、まとめとして、コラーゲンの摂取は、安全性については食経験からも大きな問題はないと考えられるが、機能性については科学的に十分に説明されていない面が多いため、今後さらに研究を進める必要があるとしています。
詳細については国立健康・栄養研究所ホームページ
 http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm  を参照ください。
■ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とウエストサイズ (2005年 04月 12日 11:05)
内臓脂肪がたまると血糖や血圧、中性脂肪などが正常より高めになる。糖尿病や高血圧と診断されるほどではなくても、複数重なると動脈硬化が進行し心筋梗塞につながることが分かり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と呼ばれるようになりました。これまでに、海外ではメタボリックシンドロームの診断基準が発表されていましたが、国内ではまだ発表されていませんでした。
 今回、日本動脈硬化学会や日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会など8学会が内臓脂肪の新診断基準をまとめ、8日、日本内科学会で発表されました。
その診断基準は、内臓脂肪のたまり具合をウエストサイズで判断するもので、男性85cm、女性90cm以上を「要注意」とされています。
 メタボリックシンドロームの診断基準はこのウエストサイズに加えて、
@最高血圧が130以上または最低血圧が85以上
A空腹時血糖値が110以上
B中性脂肪が150以上かHDLコレステロールが40未満
 @からBの三項目のうち、二項目以上がこれに当てはまる場合をメタボリックシンドロームとされています。
参考資料
朝日新聞:平成17年4月9日
北国新聞:平成17年4月9日
■ 栄養情報担当者協会(NR協会)発足 (2005年 03月 14日 14:45)
健康食品について、生活者に正しい情報を提供する「栄養情報担当者(NR:Nutritional Representative)」の資格を持つ有志者の任意団体「栄養情報担当者協会:NR協会」が2月27日発足しました。既に、独立行政法人国立健康・栄養研究所理事の認定を受ける、栄養情報担当者;略称NRの認定制度が昨年、発足していますが、健康食品の適切な情報を消費者に提供する目的で栄養情報担当者(NR)の資格を持つ、薬剤師、医師、栄養士、保健士らで組織するNR協会が設立されました。NR協会の副会長には金沢市田上町「ナガサト太陽クリニック」の永里敦医師(金沢大学医学部卒)が就任されました。
NRについての問合せは独立行政法人国立健康・栄養研究所(TEL03-3203-5721)へ。

2005年2月21日、3月12日の朝日新聞、独立行政法人国立健康・栄養研究所ホームページ:http://www.nih.go.jp/eiken/info/nr_faq.htm から引用。
■ 家庭用心電計が登場 適正使用には医師の関与が不可欠 (2005年 03月 10日 01:26)
 医学雑誌Nikkei Medicalに「消費者が薬局・薬店で購入でき、測定した波形をその場で見られる携帯型心電計が登場している」ことが紹介されています。
 現在、消費者が自由に購入できる携帯型心電計は2種類とのこと。適正使用には医師の関与が不可欠であり、患者さんが、自分で測って医師に見せるためのツールという位置付けになっています。うまく使えば日常診療の強力な武器になる、と紹介されています。
参考資料
「普及始まる家庭用心電計」:Nikkei Medial 2005年2月号24-25頁
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